Jリーグ各クラブ間の資金力の差が大きくなってきている
Jリーグ発足当時は、ヴェルディ川崎という高年俸選手を揃えるクラブが一つあったものの、全体的にはクラブ間の資金力の差はあまりなかったということがあります。2000年代初頭に関しても資金力・クラブ規模には大きな差がなく、同じくらいの規模のクラブばかりでした。
しかし、2002年に浦和レッズの社長に犬飼基昭氏が就任して様々な改革を行い、弱かった浦和レッズを一気に強豪に押し上げていきます。犬飼氏は2006年途中で退任しますが、浦和は2006年にリーグ優勝を果たして翌年にはACLも制覇し、日本初の本格的なビッグクラブが誕生したと話題になりました。その後、浦和はホームタウンの人口の多さ・首都圏に位置している事・地元のサッカー熱など繁栄要素が揃っている事を武器に、売上高を伸ばし続けています。
一方、ホームタウンの人口が少ない地方クラブは、入場収入面・グッズ売上面で決定的に不利なため、なかなか売り上げが伸びません。また、元々はサッカー熱が高かったとしても、人口の少ない地方クラブにはあまり未来がない事にサポーターが気づいてサッカー熱が冷めてしまう例も起こってきました。
そんな中、条件の悪いクラブと浦和のような条件の良いクラブとの資金力の差が明確になってきています。また、2017年からはDAZNとJリーグの契約によって優勝賞金が一気に増えたほか、分配金制度がビッグクラブに有利な仕組みになりました。これによって優勝や上位を狙える都会のビッグクラブと、ホームタウンの人口が少ない小規模クラブの資金力の差がさらに広がる事が予測されています。